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ビルのトイレ・水廻り改修はなぜ必要?メリットとポイントを解説

トイレをはじめとした水廻り設備は、ビルの中でも比較的早い段階で老朽化する部分です。
特にトイレの場合は汚れやすいだけでなく、強い洗剤を使って洗浄するため、どうしてもダメージを受けます。
そのため、適切なタイミングを見計らって改修をしなければいけません。仮に、改修を棚上げにするならば、ビルの入居率などにまで影響するかも知れないからです。
そこで、ここではトイレと水廻り設備の改修について、ビルのトイレ・水廻りの改修の必要性からポイントまで解説します。

目次

・1.築年数が経ったビルの設備

・2.ビルのトイレ・水廻り改修はなぜ必要か

・3.敬遠されるビルのトイレの例:7選

・4.トイレ・水廻り改修のポイント

・5.まとめ

 

築年数が経ったビルの設備

トイレの改修に必要性を取り上げる前に、築年数の経ったビルの設備がどのようなものかを再確認します。

設備が旧式

まず挙げられる点が「設備が旧式」な点です。
トイレを挙げるならば、ほとんどが洋式になっていますが、古いビルには未だに和式が残っている模様です。
また、仮に洋式になっていたとしても、古いトイレは性能などでも見劣りします。…使用感、節水、メンテナンス性など、今のトイレは様々な角度から改良が加えられているのです。
他にも、トイレの手洗い水栓なども旧式だと使い勝手の点で劣りますし、デザインの点でも良くありません。

故障頻度が高い

冒頭にも挙げた通り、トイレをはじめとする水廻り設備は比較的早い段階で老朽化が進みます。
そのため、それに応じて上がるものが故障の発生確率です。
例えば、水道にはパッキン類が多く使われていますが、時間が経つと老朽化して水漏れなどの原因となります。
ウォシュレットのような新しい設備であっても10年も経てば故障の発生確率が増えるでしょう。
尚、メーカーの製造物責任が10年と定められているため、そのまま使い続けることは望ましくありません。

使い勝手が悪い

古いビルのトイレは使用感も良くありません。
洋式トイレであっても旧式であれば快適さに欠けます。便座は冷たく、冬場は腰が冷えます。
その点、今のトイレにはウォシュレットが着いていますし、便座も温かく快適です。また、節水やメンテナンス性など、多くの点で今のトイレは改良されています。
また、トイレの雰囲気においても、昔のトイレと今のトイレには差があります。手洗い用の水栓なども使用感が違いますし、照明器なども人感センサーで点灯するものもあり、過去のトイレとは大きな開きがあるのです。

魅力がない      

後述しますが、昔のトイレは使用感だけが欠点ではありません。
暗い雰囲気の場合もあります。また、嫌なニオイのトイレもあり得るでしょう。
そのため、昔のビルのトイレには魅力に欠けます。
尚、オフィスビルの場合はトイレの使用感が従業員のモチベーションにも繋がり得ます。企業の経営体質を考えるならば、トイレの改善を考えるべきかも知れません。

 

ビルのトイレ・水廻り改修はなぜ必要か

次に、ビルのトイレ・水廻り改修はなぜ必要かを解説しましょう。

ビルの入居率の向上

入居率の向上のためにもビルのトイレ・水廻り改修は必要です。
さて、ビルに入居する立場としては、予算の中で可能な限り良い物件を探すことが一般的です。仮に、他に同等の賃料で設備の良いビルがあれば、そちらに流れて行くでしょう。
そして、他の物件に入居者を取られ続けるならば、ビルの入居率も落ちます。その場合には賃料が入って来なくなるため、経営が上手く行かなくなります。
しかし、トイレ・水廻り部分を改修するならばビルとしての魅力が上がり、入居率もアップするのです。

ビルの賃料アップ

トイレ・水廻りを改善すればビルが魅力的になります。その結果として賃料アップも狙えます。
オフィスビルの賃料は建っている街や駅からの距離、そして設備などで決まりますが、便利で魅力的な物件は賃料が高いです。
そのため、トイレや水廻りの条件が良くなれば、物件の魅力も上がるため賃料も上げられます。
尚、ビルの魅力が上れば、入居率と家賃の両方の向上も狙えます。上手く行けば、賃料が高い状態をキープしながらの満室経営も狙えるでしょう。

ビルの価値の向上

ビルの設備が改善されればビルの価値も上がります。
例えば、ビル全体をフルリノベーションするならば、居心地も使い勝手も向上するため、ビルとしての価値は上がります。
当然ながら、トイレ・水廻り設備もビルの共用部分の重要な場所です。トイレ・水廻りの改修は価値向上の点で必要なのです。
尚、ビルは入居率や家賃のアップを狙うだけが経営ではありません。状況によっては売却する方がメリットの大きいケースもあります。ビルの価値が高ければ売価も上がるため、より多くの売却益が狙えるでしょう。

ビルのイメージアップ

現在は様々な場所で口コミ情報が見られます。ネットには口コミ情報を集めたサイトがありますし、SNSなどでも情報収集が可能です。
これはオフィスビルでも同じことで、多くの人にビルは見られて評価されているのです。
さて、そのような口コミ情報に「トイレが古い」などと掲示されてはビルのイメージが落ちます。…その場合には入居率にも悪影響を及ぼすかも知れません。
しかし、その一方で「トイレがきれい」と掲載されればビルのイメージが上がります。イメージアップの結果として、入居率や価値が上がるのです。

 

敬遠されるビルのトイレの例:7選

ここでは敬遠されるトイレの例を挙げましょう。

敬遠されるトイレの例①:臭い

まず挙げられる例が「臭いトイレ」です。
言うまでもなく、臭いトイレは嫌われます。
ところで、トイレは仮に掃除が行き届いていたとしても臭くなりがちです。トイレには窓や換気扇の設置が義務付けられているのですが、それで換気が十分になるとは限りません。換気の具合が悪い場合もあり、洗剤のニオイが残ることもあるのです。
他にも、湿気の問題もあります。トイレは湿気がこもりがちなためカビ臭くなるケースも少なくないのです。

敬遠されるトイレの例②:汚い

汚いトイレも嫌われます。
特に古いビルの場合、便器が黒ずんでいたりしますし、床面も変色しているケースが見られます。
特にタイル張りの床に場合には、目地部分が変色している場合が多いため、余計に汚く見えるのです。
尚、これらの汚れは取るのにも限界はあります。きれいだった状態には戻すことは非常に困難でしょう。

敬遠されるトイレの例③:暗い

トイレは採光が確保されているとは限りません。そのため、暗い場合が多いです。
特に、古いビルのトイレは暗い場合が意外に多く、快適性に欠けます。その結果として嫌われるのです。
その一方で、新しいビルのトイレは壁面や床面の素材や配色が工夫され、昔のビルのトイレよりも明るく作られています。

敬遠されるトイレの例④:寒々しい

寒々しいトイレも敬遠されます。寒々しいと快適に使用が出来ないからです。
ところで、寒々しいトイレは築年数の経ったビルに比較的多いです。内装の配色がブルーなどの寒色系が使われている場合など、特に寒さを感じます。
その点、新しいトイレの場合にはベージュなどの温かい色の内装が多数派です。その結果、室内が温かく感じられるのです。

敬遠されるトイレの例⑤:設備が旧式

設備が旧式のトイレも敬遠されます。
良い例が和式トイレです。和式トイレは何と言っても使いにくさが欠点です。
また、洋式であっても、旧式であれば現在のトイレよりも様々な点で劣ります。例えば、ウォシュレットが着いていなかったり、形状が複雑で掃除が大変だったりと、弱い点が多いです。
他にも、手洗い用の水栓も、旧式の蛇口であれば人気はあまり出ないことでしょう。と言うのも、蛇口には不特定多数の人の手が触れるため、感染症リスク増加が考えられるからです。
しかし、今の水栓はタッチレスのタイプがあります。手で直接接触しないため衛生的です。

敬遠されるトイレの例⑥:デザインが陳腐

今のトイレに比べ、昔のトイレはデザイン性でも劣ります。
そのため、古いビルのトイレは敬遠されやすいです。
例えば、過去トイレの手洗い用水栓は画一的でした。ボウルに蛇口が着くだけのシンプルなタイプで、造形的な面白みは皆無でした。
しかし、今の水栓のボウルは素材に人造大理石のようなものも使ったタイプもあり、素材も形状も個性豊かで面白さに富んでいます。

敬遠されるトイレの例⑦:掃除が大変

掃除が大変なトイレも敬遠されがちです。
さて、昔の様式トイレと今のトイレでは掃除のしやすさが違います。
今のトイレは表面に汚れが着きにくい加工がされていたり、掃除をしやすい形状に作られていたりするからです。これにより掃除の手間が少なくて済むのです。
その点、昔のトイレの場合には形状が複雑で、掃除はしにくいです。そして、掃除に手間取ると、それだけ時間を要します。

 

トイレ・水廻り改修のポイント

ここまでトイレ・水廻りの改修が必要な理由、敬遠されるトイレについて述べました。
トイレ・水廻り改修が必要な理由が把握出来たことでしょう。
ここでは改修のポイントを取り上げます。

清潔感が大きなポイント

トイレ改修の大きなポイントは「清潔感」です。
内装に使う建材は清潔感の持てる資材を使いましょう。
また、「汚れの着きにくい素材」の利用も大きなポイントです。便器や手洗い水栓の他にも、フロア材には汚れの着きにくいタイプがあるため、積極的に活用しましょう。
ところで、今のフロア材には様々な機能を持たせたタイプがあります。消臭や抗菌の効果を持つタイプがあるため、場所に応じて使い分ければ清潔な状態が保てます。

内装は明るく

内装を明るく作る点もポイントです。
前述のように、「暗い」「寒々しい」といったトイレは良くありません。トイレの内部は明るくするべきです。
ただし、明るすぎるのも良くはありません。
例えば、壁材を明る過ぎる原色ばかりを使うならば、落ち着けなくなります。「適度な明るさ」を意識すべきでしょう。
尚、照明器の工夫も良い案です。今のLED照明は光の色を変えられます。単なる白色光ではなく、少しオレンジ色を加えての柔らかい雰囲気作りが推奨されます。。

新しい設備がベター

衛生陶器メーカーの技術開発は非常に早く、トイレにおいても毎年のように新機能が搭載されて登場します。
ウォシュレットの他にも、節水やメンテナンス性など、様々な部分でレベルアップを果たしているのです。
そのため、トイレの改修をする場合には、新しい設備を投入する方がベターでしょう。
尚、トイレには高級・中級・普及のグレードがありますが、あまり安いタイプを購入すると基本性能が良くありません。コストと共に機能を確認してどのグレードにするか検討をしましょう。

水栓はタッチレスに

新型コロナ感染症の騒動を契機にタッチレス水栓が普及しはじめました。タッチレスであれば手で直接触れることなく水が出せるからです。
さて、ビルのトイレを改修する際には、水栓をタッチレスにする方がベターです。
タッチレスにすれば衛生的になるだけでなく、ビルに対する評価も上がり、入居者獲得などで有利になります。

センサーライトなども有効

センサーライトは人を検知して点灯するライトです。トイレ内に誰もいない時には消灯します。
導入の効果としては電気代の節約もありますが、それ以上に「環境問題に積極的」であることをアピールできる点が重要でしょう。
入居する企業にしても、環境問題への取組はセールスにも繋がるため、宣伝効果が狙えます。企業とウィン・ウィンの関係になる点がメリットです。

「誰でもトイレ」も検討する

現代の企業は障がい者雇用が義務付けられ、社内でもバリアフリー化が必要とされています。
そのような現状があるため、ビル側としてもトイレへの配慮が必要です。
また、企業の従業員は高齢化に伴い、身体に何等かのハンディを負うケースが考えられます。…例えば、人工肛門の従業員もいるかも知れません。
そこで提案されることが「誰でもトイレ」の設置です。車いすにしろ、人工肛門の人であっても、誰でもトイレならば利用しやすいです。
トイレ・水廻りの改修の際には、将来を見据えて、誰でもトイレについても検討するべきでしょう。

 

まとめ

トイレ・水廻りの改修について取り上げました。
古いビルのトイレや敬遠されるトイレ、改修のポイントなどが把握できたことでしょう。
また、所有しているビルのトイレの改善について、具体的に考える契機になった人もいることでしょう。
ともかくとして、企業に入ってもらうにしても、売却を視野に入れるとしても、ビルの価値が落ちていれば良くありません。価値向上のためにも、トイレ・水廻り部分のリフォームを検討しましょう。

なお、トイレ・水廻り改修をはじめとする内装工事に関するご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。 オフィスデザイン・設計から施工まで自社ですべての内容を承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。