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オフィスの内装制限と防火性能、排煙設備について

オフィスの内装には、機能性やデザイン性を考慮するだけでなく、防火性能や建築基準法の規制にも注意が必要です。

オフィス内装は、従業員の安全性や快適性を確保するためにも、正しく設計・施工することが求められます。以下では、オフィス内装における制限と防火性能について解説していきます。

内装制限

オフィス内装には、建築基準法で定められた内装制限があります。これは、火災や煙の発生時に、火災の拡大を防止するために設けられたものです。内装制限には、壁や天井の防火性、通路や階段の幅、脱出口の配置や数、照明設備などが含まれます。

まず、壁や天井については、防火性能が求められます。内装材には、非燃性材料や難燃性材料を使用することが求められます。また、壁や天井の面積が一定以上ある場合は、防火性能がさらに高い材料を使用する必要があります。

通路や階段については、幅や高さ、勾配などが定められています。これは、脱出時に混雑が起きないようにするためや、移動しやすいようにするための規制です。また、脱出口には規定の数と配置があり、これらに沿って設置することが求められます。

照明設備についても、非常時に備えた設置が求められます。照明は、火災や停電時にも明るさを確保するために、非常用照明器具を設置する必要があります。

これらの内装制限は、建築基準法によって定められています。オフィス内装を設計・施工する際には、これらの制限を遵守することが求められます。

 

防火性能

オフィス内装の防火性能は、従業員の安全性を守るために欠かせません。防火性能を高めるため天井や壁面には防火性能を備えたクロスや塗料が使用されることが多く、これらは火災が発生した場合に炎や煙が広がるのを防ぐ役割を果たします。

さらに、オフィス内での人の移動にも制限が課されます。例えば、緊急時に備えて、建物内には避難経路が設けられ、その避難経路には看板が設置されています。また、非常口や非常階段の位置も示されており、緊急時にはこれらを使用して安全に避難することができます。

オフィス内の家具や装飾品についても、防火性能が求められます。例えば、木製の家具は火災が発生した際に燃えやすいため、防火性能の高い素材に置き換えることが望ましいです。また、絨毯やカーテンなどの装飾品も燃えやすい素材が多いため、防火性能が高い素材を使用するようにしましょう。

さらに、オフィス内で使用される電気製品についても防火性能が重要です。例えば、電気配線が適切に行われていないと、ショートや発火が発生する可能性があります。そのため、電気配線には防火性能の高いケーブルを使用するようにし、また、電気製品の定期的な点検やメンテナンスを行い、安全性を確保することが大切です。

最後に、オフィス内での火災発生時には、すぐに適切な対応が必要です。オフィス内には消火器や救急箱などの防災用品が設置され、社員には火災発生時の適切な行動方法が指導されています。また、定期的な避難訓練を行うことで、火災発生時に迅速かつ冷静に行動することができるようになります。

防火性能についても、オフィス内装において非常に重要なポイントです。建物の防火規制では、防火壁や耐火構造、スプリンクラー設備などの設備が必要とされていますが、内装材料についても防火性能についての規定があります。防火基準に合致しない材料は使用できず、非常に高い防火性能を有する材料を使用することが求められています。

また、近年では燃えにくく、かつ防火性能に優れた新しい内装材料が開発されています。これらの材料を使用することで、より高い防火性能を確保しつつ、美しく快適なオフィス内装を実現することが可能です。

 

防火性能の種別と主な材料

防火施工管理ラベルの種類

不燃材料 コンクリート、ガラス、モルタル、金属板、厚さ12mm以上の石膏ボードなど
準不燃材料 厚さ15mm以上の木毛セメント板、厚さ9mm以上の石膏ボードなど
難燃材料 厚さ5.5mm以上の難燃合板、厚さ7mm以上の石膏ボードなど

以上、オフィスの内装制限と防火性能について解説いたしました。オフィスは、長時間を過ごす場所であり、働く人々の健康や安全に関わる非常に重要な場所です。建築物や内装材料についての規制には、これらの重要性が反映されています。より安全で快適なオフィス環境を実現するためにも、規制に従い、適切な内装材料や設備を導入することが必要です。

 

排煙設備の設置基準について

オフィスには必要な消防設備の一つとして、排煙設備があります。

オフィスビルや商業施設などの一般建築物における排煙設備の設置基準は、建築基準法や建築物省令によって定められています。以下にその詳細を説明します。

建築基準法による設置基準

建築基準法によるオフィスビルや商業施設などの一般建築物の設置基準は、建築物の高さや面積、構造などに応じて定められています。たとえば、延べ床面積が500㎡を超える建物には、建築基準法に基づき、排煙ダクトや排煙ファン、排煙吸入口などの設備を設置する必要があります。また、建築物の高さが15mを超える場合には、排煙ダクトの設置が義務付けられます。

建築物省令による設置基準

建築物省令による一般建築物の設置基準は、建築物の用途や構造などに応じて定められています。たとえば、商業施設においては、客席面積が100㎡を超える場合には、排煙ダクトや排煙ファンの設置が義務付けられています。また、ビルの高さや構造に応じて、排煙設備の設置位置や規格、設置数なども定められています。

その他の設置基準

一般建築物の場合、排煙設備の設置位置については、建築基準法や建築物省令によって定められた規定に従う必要があります。たとえば、排煙ダクトは建物の外部に開口する必要があるため、建築基準法によって、その開口部の高さや面積、位置などが定められています。また、排煙ダクトの径や排煙ファンの規格なども、建築基準法や建築物省令に基づいて定められています。

 

どんな大きさの建築物で どんな条件の時に どこに対して(排煙設備が)必要か
延べ面積500㎡超え 「特殊建築物」であれば建築基準法別表1(い)欄(1)~(4)に限り 原則としてその建築物の居室全てに排煙設備が必要(一部除外規定あり)
階数3(地階含む)以上の「建築物」であれば
延べ面積1000㎡を超える建築物 200㎡以上の「居室」には 原則として該当する「居室」に排煙設備が必要(一部除外規定あり)
どんな大きさの建築物であっても 排煙上の無窓居室には

 

煙感知センサーの設置

近年、多くのオフィスビルや商業施設では、煙感知センサーの設置が義務付けられるようになっています。

煙感知センサーは、煙や火災を早期に検知し、自動的に排煙設備を動かして煙を迅速に排出することができます。このため、建築基準法や建築物省令によって、オフィスビルや商業施設などの一般建築物においても、煙感知センサーの設置が求められるようになりました。

煙感知センサーの設置基準については、消防法や建築物省令によって定められています。たとえば、消防法では、自動火災報知設備の一部として、煙感知センサーの設置が義務付けられています。また、建築物省令によっては、煙感知センサーの設置位置や数などが定められています。

設置業者の資格要件

オフィスビルや商業施設などの一般建築物における排煙設備の設置には、専門的な知識や技術が必要です。そのため、排煙設備の設置には、特定建設業法に基づく特定建設業者の資格が必要です。

特定建設業者の資格を持っている業者は、建築基準法や建築物省令に基づいた設置基準に従って、適切な排煙設備を設置することができます。また、煙感知センサーの設置についても、消防法や建築物省令に基づいた資格要件があります。

まとめると、オフィスビルや商業施設などの一般建築物における排煙設備の設置基準は、建築基準法や建築物省令によって定められています。建築物の高さや面積、用途、構造などに応じて、排煙ダクトや排煙ファン、排煙吸入口などの設備が義務付けられています。また、近年は、煙感知センサーの設置も義務付けられるようになりました。排煙設備の設置には、専門的な知識や技術が必要であり、特定建設業者の資格が必要です。特定建設業者は、建築基準法や建築物省令に基づいた設置基準に従って、適切な排煙設備を設置することができます。

一方で、排煙設備の設置だけではなく、適切な点検・メンテナンスが重要です。定期的な点検・メンテナンスを怠ると、設備の劣化や故障が起こり、火災発生時に十分な排煙ができず、建物内に煙が充満する恐れがあります。そのため、建築物省令では、排煙設備の点検・メンテナンスに関する基準が定められています。