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オフィスにも使える!逸品ものの左官工事を徹底解説

オフィスの空間演出は業務の効率にも影響を及ぼします。
例えば、オフィスが殺風景で面白みのない空間であれば、あまり従業員のモチベーションが上がらないでしょう。しかし、おしゃれなオフィスであれば、モチベーションも上がり、業績の好転も狙えます。
さて、オフィスの内装の仕上げを面白くするならば、少しでも変化を取り入れた方がベターです。
その点、壁面を塗り壁とするならば一般の壁紙とは違った雰囲気が作れます。
ここでは、塗り壁を作り、演出する左官工事について取り上げます。一見すると地味に見える左官工事ですが、読み終わる頃には左官工事と塗り壁に対する見え方が変わるでしょう。

 

目次

・1.左官工事とは

・2.塗り壁のメリット

・3.左官工事によるオフィス内装

・4.左官工事の材料

・5.塗り壁の注意点

・6.まとめ

 

左官工事とは

まずは左官工事の概要を解説します。
左官工事は一見すると泥だらけのように見えるため、あまり良い仕事のように見えないかも知れません。しかし、実際には異なります。
ここでは、左官工事について、他の壁の仕上げ方法との違いも併せて解説しましょう。

左官とは

左官とは壁面や床面などを仕上げる作業と、その作業に従事する職人を一般的に指します。
使用する素材はモルタル・漆喰・珪藻土などです。鏝(こて)で塗って左官職人が表面を仕上げるケースが多いです。
さて、左官工事は簡単にできる仕事ではありません。経験を積んだ職人による手仕事による仕上げです。
そのため、職人によって風合いが異なる場合もあります。そして、それが「味わい」として好まれるのです。

仕上がりは逸品もの

左官職人の作る仕上がりは、まさに「逸品もの」です。
街で見かける左官工事は舗装面の仕上げが多いため「平滑に仕上げる」とばかり思われるかも知れません。
しかし、左官職人の仕事のバリエーションは多彩です。左官工事は鏝さばきで、ある時はシャープに、またある時はレトロに、更にはヨーロピアンの風合いなども作り上げるのです。
また、前述のように、左官職人は「磨き」を掛けるケースもあります。仕上げ面はそれによりツヤが出ますが、そのツヤも左官職人の表現です。まさに「職人技」なのです。

塗装との違い

左官工事は塗装とは全く異なります。
塗装は表面を被膜で覆う平面的な仕上げであるのに対し、左官の仕上げはテクスチュアを持たせた面…平面よりも立体に近いです。
実際、被膜の厚さを見ても両者は全く異なります。塗装は数十ミクロン、厚い場合でも数百ミクロンが一般的です。それに対し、左官の仕上げは数ミリ単位で立体的です。
また、工程も大きく異なります。左官は鏝で塗るのに対し、塗装は刷毛やローラー、そしてガン吹きです。
尚、石目調のものがありますが、それでも立体とは言いにくいです。鏝で仕上げる塗り壁とは一線を画します。

壁紙との違い

壁紙はシート材であり、表面にテクスチュアを付けてはいますが、あくまでも平面的な素材です。また、工業製品のため、デザインもパターン化されています。
その点、左官のテクスチュアは工業製品と異なり、完全オリジナルです。鏝を使ったテクスチュアは立体的であり、シート材の壁紙では表現が出来ません。
また、壁紙は比較的容易に施工が可能なのですが、鏝を使って作るテクスチュア表現は簡単ではありません。同じ壁面の仕上げ材としても、材料から施工まで全く違うのです。

 

塗り壁のメリット

ここでは、内装でよく使われる漆喰や珪藻土の「塗り壁」のメリットを取り上げて解説します。
塗り壁は左官工事で作る壁です。独特の風合いがあり、しかも魅力的な機能も持っています。

デザイン性

前述のように、塗り壁は左官職人が鏝で作る逸品のデザインです。鏝によるテクスチュアは他の仕上げ材には作り得ません。左官職人は鏝を使い、あるいは壁の表面を磨き、さまざまな表情を作り上げるのです。
確かに、デザインのバリエーションで言うならば、壁紙をはじめとする他の素材でも多くあります。しかし、テクスチュアが立体的でオリジナルになるのは、やはり塗り壁がベストです。
また、漆喰は顔料を混合して着色したタイプがあります。これらの素材を使用すれば、壁のバリエーションは更に豊かになるのです。

調湿

漆喰や珪藻土の塗り壁には調湿機能が期待できます。
漆喰や珪藻土には微細の孔があり、そこに湿気を中に取り込みます。室内がジメジメした場合には空気中の余計な水分を取り込むのです。
また、逆に空気が乾燥している場合には放湿します。…この点は一般のビニールクロスには見られない特徴です。
空気環境が悪いオフィスは気分まで悪くなる人が少なくありません。その点、漆喰や珪藻土の塗り壁のオフィスは空気環境を良好にする効果が期待できるため、作業の効率化が狙えるのです。

消臭

漆喰や珪藻土の塗り壁には消臭効果も期待できます。
これは、漆喰や珪藻土の微細に孔が湿気を吸い取ると同時に、臭いとなる分子も吸着するからです。
オフィスは大勢の従業員が集まる場所のため、臭いに困る人もいます。
その点、漆喰や珪藻土の塗り壁であれば、ニオイを吸着するため過ごしやすくなるのです。
尚、オフィスは空気がよどみやすい場所です。塗り壁の消臭効果を使えば、ニオイの問題も軽減され、空気環境がより良くなります。

シックハウス対策

漆喰や珪藻土の塗り壁はシックハウス対策も期待できます。
これらの素材はミクロの孔が無数にあり、その孔でシックハウスの原因となる有害物質を吸着するのです。
今の建材はシックハウス対策が施され、有害物質の放散が抑えられています。しかし、海外から輸入する家具類などはそのような措置を施されているとは限りません。依然として有害物質の放散リスクは残っています。
その点、漆喰や珪藻土の塗り壁は室内の有害物質を吸着します。空気環境が良くなり、シックハウスのリスクは下がるのです。

 

左官工事によるオフィス内装

左官工事は一般のボード状の壁材とは異なって、独特の味を出せます。
そこで、ここではオフィスに塗り壁が用いられたときの内装の状態を紹介します。

モルタルでシャープに演出する

モルタルと聞くと土間コンクリートなどに多く使われているため、野暮ったい雰囲気を思い出す人もいるでしょう。
しかし、モルタルは平滑に仕上げるだけの素材ではありません。表面の処理によってはシャープなデザインにもなるのです。
例えば、オフィスを自社の扱う製品イメージに合わせるケースがあります。シャープなイメージの製品を扱う企業であればモルタルの使用により、オフィスの雰囲気はシャープになるでしょう。
このように、モルタルには独特の表情があります。左官工事による内装として魅力があふれるのです。

漆喰で有機的に仕上げる

漆喰は表面が美しく、左官工事の鏝の味わいを存分に表現してくれる素材です。
左官工事では多彩なテクスチュアで壁が仕上げられます。
さて、熟練した左官職人の鏝さばきは、単なる平滑な面を作るだけではなく、有機的な印象の曲面をも作り上げます。漆喰で作る有機的な曲面は自然素材ともよく合い、スタイリッシュな空間を演出するでしょう。

珪藻土の機能を利用

珪藻土は非常に吸水性の高い素材です。湿度をコントロールする特性を持ちます。
さて、湿度が高過ぎる空間は不快です。
例えば、梅雨時などは室内がジメジメして空気環境が悪化します。条件にもよりますが、カビの発生にも繋がるでしょう。健康被害を受けるかも知れません。
しかし、珪藻土を使った塗り壁の場合、壁そのものが湿気を吸うため、ジメジメした環境が好転します。
オフィスの場合では室内の空気環境が良くなるため、業務効率アップが狙えるのです。

エントランスへの利用

企業にとってエントランスは、まさに「顔」の部分と言えます。時には来訪者の印象を決める場合も多く、印象を左右しかねません。
さて、エントランスに塗り壁を採用するならば、他を圧巻するスペースを作れます。
例えば、珪藻土の調湿機能を利用すれば空気環境が良くなりますし、漆喰で壁を塗れば有機的に仕上がるでしょう。その上で、モルタルで「岩」をイメージした部分を作れば、荘厳かつスタイリッシュな空間演出が可能でしょう。
このような空間演出は壁紙のようなシンプル過ぎる素材では、表現が難しいです。塗り壁を作る素材の特徴と、左官工事の味わいを前面に押し出して作り得る空間なのです。

 

左官工事の材料

ここでは、左官工事で使われる主な素材を取り上げます。

モルタル

モルタルはセメントと砂と水を練り合わせて作る素材です。
内装材の他にも、ブロック塀やレンガ、そしてタイルの貼り付けなどにも使われます。
モルタルの特徴は不燃で有毒ガスなども発生しません。また、鏝でパターンを作れるため自由度の高い素材と言えるでしょう。

漆喰

漆喰は消石灰に糊やスサを混ぜて作った素材です。
内装材の他にも瓦の接着や外装材にも使われます。昔の日本の城は白色ですが、この色は漆喰によるものです。
また、漆喰は海外でも使われています。建築物の外装に使われているイタリア漆喰は特に有名です。
さて、前述のように漆喰には吸湿機能があります。余計な湿気を取ってくれるので、室内の空気環境の改善に有効です。他にも消臭などの効果も期待できるため、オフィスの内装にも合った素材と言えるでしょう。

珪藻土

珪藻土は「珪藻」と呼ばれる微生物の殻が堆積してできた天然素材です。
吸湿性に特に優れるため、空気環境改善のために非常に有用な内装材と言えるでしょう。
塗り壁の素材としては、漆喰よりも素朴な仕上がりとなります。ですから、柔らかいオフィス空間を作る場合に向いています。
尚、珪藻土はそのままでは固着しません。接着剤などを混ぜて粘りを出して塗ります。

 

塗り壁の注意点

塗り壁には魅力的なメリットがありますが、やはり注意点もあります。
ここでは、塗り壁の注意点を取り上げましょう。

職人の技量の差が出る

左官工事は職人によって技量の差が出ます。左官職人によって熟練度が違うからです。
また、職人によって個性が出るため、仕上がりに違いが出るケースもあります。
例えば、壁面を漆喰で塗って鏝でパターンを付けるとき、同じパターンであっても職人によって微妙に差が発生します。鏝を動かす幅や長さ、そして角度などは個人によって微妙に差が出るものです。そして、その微妙な差が、仕上がりの違いとなる場合があるのです。

変色する場合がある

塗り壁は変色する場合があります。
例えば、珪藻土の場合には湿気を取り込むと同時に、空気中の汚れまで吸い込みます。
そして、その汚れが溜まると変色する場合があるのです。

ひび割れする場合がある

例えば、石膏ボードに漆喰や珪藻土を塗って壁を作った場合、環境によって材料によって収縮率が異なるため、ひびが入る場合があります。
また、地震によって建物全体が振動を受けると、その揺れに追随できなくて割れる場合もあります。

メンテナンスが難しい場合がある

塗り壁のメンテナンスは、消しゴムやメラミンスポンジ、あるいは上から同じ素材を塗ってメンテナンスが可能です。例えば、白い漆喰の壁が汚れたならば、上から同じ色の漆喰を塗れば、一応の汚れが落とせます。
また、ひび割れであっても上から塗ればひびは埋められます。
しかし、そのような補修であっても、完全に補修ができるとは限りません。また、手の届きにくい箇所にひびが入るケースもあります。
補修した部分が目立つ場合もあります。ある程度の割り切りも必要となるでしょう。

コストに注意

塗り壁の左官工事には時間も手間も掛かります。そのため、費用が一般の内装工事よりも高めです。オフィスの内装工事をするためには、コストに注意をしなければいけません。
全体を左官工事で対応するのではなく、左官工事を部分的に行うなどが予算対策となるでしょう。
尚、左官工事の見積もりを取る時も、複数の業者に相談をするべきでしょう。ただし、左官工事は職人によって技術が違うため、施工例の写真などを参考にして決める方がベターです。

 

まとめ

左官工事について取り上げました。
左官職人の作る塗り壁の味わいや、塗り壁の材料について分かったことでしょう。また、塗り壁の注意点についても把握できたと思います。
左官工事は壁紙などの工業製品による工事ではありません。左官職人が現場単位で作るオリジナルの作品です。オフィスに施工するならば味わいのある空間が作れます。内装に取り入れて、スタイリッシュな空間を作りましょう。

尚、オフィス内装工事のご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。
LAN工事を含めた、オフィスのデザイン・設計から施工まで承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。

さらに、物件選びからサポートをしているため、要望に合ったオフィス空間を提供できます。
「ビルディングデザイン」を利用して、費用を抑えつつ快適な新オフィスをデザインしましょう。
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