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OAフロアとは何か?メリットや注意点を徹底解説!


昔のオフィスは今と違い、パソコンをはじめとするOA機器がそれほど多くはありませんでした。オフィスによるでしょうが、コピー機やFAX程度でした。
しかし、今はパソコンの使用が増え、1人で複数台使うケースも珍しくはありません。

ところで、それと同時にオフィスも様変わりしました。そして、その変化はオフィスのフロアにまで及んでいます。
OAフロアはそのような背景の中で登場したアイテムです。ここでは、OAフロアとは何かからはじめて、メリットや注意点、そして工夫について紹介します。

 

目次

・1.OAフロアとは何か

・2.OAフロアのメリット

・3.OAフロアの選び方

・4.OAフロア設置の注意点

・5.OAフロアを作る際の工夫

・6.オフィスのリフォームについて

・7.まとめ

OAフロアとは何か

まずはOAフロアとは何かから解説します。

OAフロアとは何か

OAフロアとはオフィスに設置する二重床です。
躯体となる既存のコンクリート床の上に、一定の空間を空けて床材を張って構成します。それによって、床下にパソコンなどのケーブルを敷けるようになります。
OAフロアの登場は1960年代です。大学の電算室に設置されたことがはじまりで、その後に企業に普及しました。

OAフロアの種類

OAフロアは大きく分けて次の2つの種類があります。
 ・置敷タイプ
 ・支柱タイプ
置敷タイプはケーブル設置が可能なパネル用の床材で、樹脂製が多いです。設置が簡単でコストパフォーマンスが良いことが特徴です。ただし、コードの収納量が少ないため、多くのOA機器を設置するオフィスでは向かないかも知れません。
その一方で、支柱タイプはコンクリート躯体に柱を立て、その上に床材を置くものです。床下が空洞になるため、多量のコードが収納できます。多くのOA機器を設置する広いオフィスに向いています。
ただし、支柱を立ててフロアを敷くため、施工に時間が掛かり、コストも高めです。

 

OAフロアのメリット

次に、OAフロアのメリットを取り上げましょう。
OAフロアは一般の床とは構造が完全に異なります。一見すると構造はほんの少し違うように見えますが、実はメリットが多いです。

配線がスッキリと納まる

まず挙げられることは、配線がスッキリ納まる点です。
一般のフロアの場合は配線が床の上にあるため、恰好が良くありません。特に、OA機器が多い場合には配線が乱雑になり、非常に不格好になることでしょう。
また、不格好なオフィスは来訪者の目に留まった時に印象を悪くするかも知れません。印象を悪くすると、その後のビジネスにも悪影響を及ぼし得ます。
しかし、OAフロアであれば配線が床下に配置するため、スッキリと納まります。見た感じもよくなるため、オフィスも美しくなることでしょう。仮に来訪者がいたとしても、悪い印象を与えることはありません。
尚、オフィスの美化は気持ちよく仕事をするために重要な要素です。作業効率を上げる点でも重要と言えるでしょう。

デスクの配置がしやすくなる

デスクの配置がしやすくなるのも大きなメリットです。
一般のフロアにケーブル設置用のために配線カバーを設けると、その部分にはデスクが置けなくなります。配線カバーをまたぐように配置してしまうと断線のリスクが高くなるからです。
また、椅子を動かす時などに配線が椅子の脚に絡むならば、断線のリスクも発生します。
しかし、OAフロアで配線を床下に納めるならば、配線カバーそのものが不要になります。デスクの配置の自由度が上がるのです。

人が移動しやすくなる

OAフロアは人が移動しやすくなるのもメリットです。
足元に配線があると歩きにくいだけでなく、足に引っかかって転倒する危険性があり、危険です。
また、配線カバーを使ったとしても段差が生じることがあります。
しかし、OAフロアは配線そのものが床下を通るため、足にケーブル類が引っかかることも無く、安全で移動しやすいです。
尚、車いすの人の移動を考えてもOAフロアの方が便利です。配線が床下にあれば車輪で踏まずに済むからです。
これからは身体に障がいを負った方々を多く迎える必要が出るかも知れません。その場合にはオフィスの品質が問われます。OAフロアはその対策としても有効となるでしょう。

断線しにくくなる

OAフロアを使えば断線しにくくなります。
前述のように、配線が床にあると足に引っ掛けやすいです。そして、引っかかると線が切れたり、機器から抜けるケースがあります。状況によってはモジュラー部分の破損もあり得ます。
特に、パソコンを多く使うオフィスでは中継器を介してケーブル接続する場合があり、断線リスクはそれだけ高いです。
その点、OAフロアであれば、床下に配線が隠れるため、断線のリスクは非常に低くなります。
尚、モジュラー部分に不必要な外力が加わると、その部分にホコリが溜まるかも知れません。その状態はケーブル火災の原因の1つです。避けなければならない状況です。

掃除がしやすい

掃除がしやすいのもメリットの1つです。
床はとかくホコリが溜まりやすいため、定期的に掃除をしなければいけません。しかし、床に配線が走っていると掃除がしにくいです。場合によってはホコリが溜まったままで放置されるかも知れません。
しかし、OAフロアであれば配線が隠れるため掃除が簡単です。オフィスの美化にも役立ちます。

 

OAフロアの選び方

前述のようにOAフロアには2種類あります。また、メーカー各社が出している商品によっても特性が異なります。そのため、OAフロアの選択は簡単ではありません。
そこで、ここではOAフロアの選び方を取り上げましょう。

コスト

コストパフォーマンスに優れるのが置敷タイプのOAフロアです。そのため、コストを重視したいのならば、置敷タイプのOAフロアを選べば良いでしょう。
ただし、置敷タイプは配線の収納に制限がある点が難点です。将来的に人員を増やしてOA機器の増加が見込めるのであれば、選択には慎重になるべきです。
尚、人員が増えた段階でオフィスを全面的にリフォームするのも一案です。リフォームが入るため、トータルのコストは掛かりますが、置敷タイプにしておいて、人員が増えた段階で支柱タイプに変えるのも良いと思われます。

OA機器の数

OAフロアは置敷タイプよりも支柱タイプの方が床下の空間が空くため、多くのケーブルが設置できます。
そのため、設置するOA機器の数がフロアの種類を選ぶポイントと言えるでしょう。
ただし、OA機器は現状だけを考えるべきではなく、将来を見据えて検討すべきです。
例えば、デスクトップPC中心からノートPCにする場合、有線LANからwifiに切り替える場合などの計画を立てることが重要となります。
焦ってフロアを高額にするより、OA機器の導入計画に合わせて決めた方がベターでしょう。

耐荷重

耐荷重も選ぶ上で重要なポイントです。強度が十分なものを選びましょう。特に、コピー機などのように重量のある設備を複数台置く場合には、強度の高いものが必要になります。
ただ、耐荷重の高いものはコストのかかる場合も多いです。強度と費用のバランスを取りながら選ぶことが必要です。
尚、耐荷重の考え方としては、床に加わる荷重にはある程度の安全率を見なければいけません。破損リスクの低減のためにも、余裕を持って選ぶことが大切です。

オフィスの広さ

オフィスの広さもOAフロアを決めるポイントの1つです。
OAフロアは面積に比例して費用が発生するからです。面積を考慮しないと、費用対効果が薄れる可能性もあるからです。
例えば、狭いオフィスであれば、デスクの数が少なくなるため、必然的にOA機器の数が減ります。そのようなオフィスに高額なOAフロアを敷くと費用対効果が薄くなるかも知れません。
選ぶときには、オフィスの面積とデスクの数を勘定して臨むべきでしょう。

工期

工期も大きなポイントです。工期によってはオフィスを空ける期間が変わるからです。オフィスを空ける期間は業務を行う上に関する支障となります。
さて、工期で考えるならば早くできるのは置敷タイプです。施工性が良いため、その分だけ早く終わります。支柱タイプは支柱の施工が入るため、施工には時間が必要です。
ただ、工期はオフィスの広さによっても変わります。空けられる期間と発生する費用の両方を検討して決めるべきでしょう。

 

OAフロア設置の注意点

次に、OAフロア設置の注意点を挙げましょう。

高さ調整

OAフロアは二重床のため高さ調整が必要です。
既存の床を撤去してコンクリート躯体を露出させ、その床面への施工になります。しかし、その高さ設定を誤ると、オフィスに段差が出る場合があり、施工の状態によってはドアなどの開閉に支障が出るケースも考えられます。
そのため、施工時の高さ調整は精度を出さなければならず、注意が必要です。

音対策

二重床は床の下に空間ができるため、施工条件によっては歩く足音が響く場合があります。
この音はフロアの下の階に響くケースがあり、迷惑を掛けるかも知れません。場合によってはクレームが発生し、企業イメージにも響くでしょう。
音対策の可否が選定や施工のポイントとなり、注意をしなければいけません。

電気的ノイズ対策

ケーブルには電流が通りますが、その場合にはケーブルから電気的なノイズが発生する場合もあり、他の機器の作動に悪影響を及ぼすケースがあります。配線の状況にもよりますが、ケーブル間をある程度の距離を離さなければいけません。
そのため、OA機器を多く使うオフィスでは、ノイズの悪影響を避ける必要があり、施工には注意が必要です。

ケーブル火災対策

オフィスの床はどうしても汚れがちで、しかも掃除がされません。そのため、ホコリが溜まった状態で放置されるケースが非常に多いです。
ところで、そのような条件でケーブルが走った場合、そしてケーブルの繋ぎ目の部分にホコリが溜まった場合には、火災のリスクが発生します。
特に置敷タイプの場合は樹脂製なため、発火の影響は大きいと考えられます。施工には注意が必要です。

 

OAフロアを作る際の工夫

ここで、新しくOAフロアをつくる際の工夫について紹介します。

防音材の設置

先にも述べたようにOAフロアは施工条件によっては音が響くことがあります。そして、その音は下の階に響くことがあり、下からクレームが来るかも知れません。
さて、防音材の床下への設置はそのような足音に対して有効となる場合があります。防音材が発生音を吸収して、下の階への伝搬を緩和させるのです。
足音から発生する音は個体を伝わる音でもあるため、完全な防音は難しいかも知れません。それでも騒音の低減には効果が期待できるため、状況によっては検討すべきでしょう。
ただし、防音には床工事違ったノウハウが必要です。防音に対応可能な業者を探すところから始める必要があります。

断熱性能のアップ

OAフロアに敷くフロア材によっては断熱性に乏しいケースがあります。その場合には床の部分で熱の交換が発生し、冷暖房効果が落ちる可能性が出て来ます。
そのようなケースが考えられる場合には、断熱材の床下設置がおすすめです。断熱材を敷けば、床下の熱交換を緩和できるため、冷暖房効果が維持できるのです。
ただし、断熱材の選定には注意が必要で、費用対効果の検討や施工性を検討しなければいけません。

耐震性の向上

OAフロアの支柱タイプはコンクリートの床躯体に支柱を立て、その上に床材を張ってフロアを作る構造です。
さて、仮に地震が発生すると支柱に悪影響を及ぼし、フロアにズレを発生させることがあります。
そのため、支柱に耐震性アップの対策を取るならば、フロアのズレを防止できます。
支柱の地震対策は確かに費用が発生します。しかし、フロアの安全性を向上させるためには有用です。OAフロア設置の際には検討をオススメします。

 

オフィスのリフォームについて

昔のオフィスビルは今のビルと異なり、部屋の構造が完全に違う場合があります。今のようにパソコンの設置を前提としている訳ではないからです。
そのため、古いビルに入居する場合にはオフィスのリフォームが必要になるかも知れません。
その時にOAフロアを設置する場合には工事が必要です。また、退去する場合にも原状回復工事が必要になります。
その場合、ビルのオーナーと工事について十分に打ち合わせておかないとトラブルの元になります。リフォームの前の段階で十分に打ち合わせましょう。

まとめ

OAフロアについて取り上げました。OAフロアのメリットや選び方などが分かったことでしょう。
また、リフォームについても述べました。オーナーとの打ち合わせの重要性が分かったことと思います。
ともかくとして、OAフロアはOA機器が不可欠のオフィスには便利なアイテムです。事業を立ちあげる人、オフィスをこれからつくる人にとっては検討すべきアイテムでしょう。

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