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オフィス内装で行われるLGS工事、その用途やメリット、デメリットは

オフィス工事では、内装工事、設備工事などのさまざま工事が行われます。
その中でも耳にするのが内装工事で行われるLGS工事です。
聞いたことがあってもLGS工事がどのようなものか知らない方も多いことでしょう。

そこで今回の記事では、オフィス内装工事で行われるLGS工事とはどのようなものか?
メリットやデメリットについて詳しく解説していきます。

 

目次

・1.LGSとは

・2.LGS工事とは

・3.LGS工事で使用する材料

・4.LGS工事のメリット

・5.LGS工事のデメリット

・6.LGS工事の流れ

・7.まとめ

 

LGSとは

まずLGSについてですが、内装工事の下地材として使用される軽量鉄骨のことをいいます。
Lはライト、Gはゲージ、Sはスティールのことで略してLGSと呼ばれています。

厚さが1.6mmから4.0mm程度の軽量形鋼でできており、さまざまな形状のものを組み合わせて使用されます。

 

LGS工事とは

LGSを使用して行う工事はLGS工事と呼ばれ、オフィスの内装工事だけでなく、一般住宅の内装工事でも行われている工事です。
LGS工事は、壁や天井を作るための下地をつくる工事です。

LGSの軽鉄骨でなく、木材でこの下地を作ることが一般的ではありますが、用途やLGSのメリットに合わせて使い分けがされています。
LGS工事の簡単な流れについてですが、まずLGSで柱などを立てて壁の形状や天井の骨組みを作っていきます。
次に仕上がった骨組みに合わせて、石膏ボードを貼っていきます。

軽天工事とも呼ばれるLGS工事は、軽量鉄骨で骨組みをつくり、石膏ボードを貼るところまでの工事のことをいいます。
施工会社などによっては、軽量鉄骨での骨組みをつくるところまでを行う場合もあります。

LGS工事を行う方は軽天職人と呼ばれ、専門性のある工事です。
同様に壁、天井の下地を木材でつくる場合には、大工さんによって施工が行われます。

それぞれにメリット、デメリットがあるため、適した場面での使い分けが重要です。

 

LGS工事で使用する材料

LGS工事で使用する軽量鉄骨にはさまざまな種類があります。
まず壁の下地をつくるためには、ランナーとスタッドと呼ばれる部材を使用します。

コの字型の軽量鉄骨のランナーを天井部と床の部分に設置し、その間にスタッドと呼ばれる柱となる部材を入れていくことで壁の下地をつくります。
ランナーは土台、スタッドは柱としての役割をもった材料といえます。

次に天井に使用する軽量鉄骨の種類には、シングルバー、ダブルバー、Cチャンネルといった材料を組み合わせて仕上げていきます。
天井下地の親としての役割を担うのがCチャンネルであり、シングルバー、ダブルバーは石膏ボードを貼る際の下地の部分となってきます。

壁、天井で使用する軽量鉄骨は名前や種類の他に、厚みやサイズ、規格も多くの種類が存在していますので、使用する場面での使い分けを行いましょう。

 

LGS工事のメリット

オフィス内装工事で行われるLGS工事には、さまざまなメリットがあります。

  • 安定性、防火性が高い
  • 新築、増築とさまざまな場面で使用可能
  • 重量による建物への負担が少ない

上記のようなメリットが考えられます。ここからは、LGS工事のメリットについて詳しく解説していきます。

安定性、防火性が高い

LGSは鋼材であるため、燃えることがなく、反りなどが発生しにくい材料です。
そのため、防火性に優れ、材料としての安定性が高いのが特徴です。
特に店舗や事務所などの建築物では、建築基準法によって内装に対する制限があります。

不燃材料と呼ばれる、認可された燃えない材料を使用することが求められます。
その際には、一般住宅で使用されている木による下地組みでは制限を満たせれません。
そのような制限のかかる場合にはLGSによる下地組みが必須となってきます。

さらに木は自然材料であるため、乾燥や収縮によって反ってしまったり、材料が痩せてしまったりといった問題が発生します。
材料の安定性という面でみれば、人工材料であるLGSの方が優れているといえます。

木の材料のデメリットとなる部分が、メリットとなるのがLGSです。

新築、増築とさまざまな場面で使用可能

LGS工事は店舗や事務所などの内装制限のかかる建物でよく使用されていますが、一般住宅の新築や増築にも使用が可能です。
LGS工事は施工が簡単であるため、工事費を安く抑えることができ、材料費も木材よりも安価な場合が多いです。

木で下地組みを行う際には、大工工事によって施工されるため、仕上がりの精度が職人の技術や経験に大きく左右されます。
木の特性をしっかりと理解している大工でなければ、細かな調整などは困難な場合もあります。

その点LGSは、施工方法が簡単であり、ひとつひとつの材料にくるいがないので、職人による仕上がりの精度に差ができにくいです。
工期の短縮も行えるため、全体でのコストカットにもつながることでしょう。

重量による建物への負担が少ない

LGSは軽量鉄骨と呼ばれる厚みの薄い鉄であるため、重量が非常に軽いです。
木と比べても重量が軽くなるため、重量による建物への負担が少なくできます。

下地組みの材料は、主要な構造部分である柱や梁といった部分に固定されるため、材料の重さは柱や梁が負担します。
そんな主要構造部の負担を軽減することは、建物の強度にも影響します。

木と比べて、重量も軽く強度にも影響を与えるのがLGS工事のメリットのひとつといえます。

 

LGS工事のデメリット

LGS工事のメリットについていくつか解説していきましたが、デメリットとなる部分も存在します。

  • 現場加工が困難
  • リフォームには向かない
  • カット時に火花が出る

上記のようなデメリットがあげられます。
ここからはLGS工事のデメリットについて詳しく解説していきます。

現場加工が困難

LGSは軽量ではありますが、鉄であるため現場加工することが困難です。特に削るといった加工が出来ません。
木であれば削るという加工も可能であり、現場に合わせたサイズに加工できます。

細かな調整もできるため、加工性でいえば木の方が使用しやすい材料といえます。
LGSで可能な加工は、カットと穴あけのみとされており、複雑な下地組みを行う際には、施工が困難になる場合があります。

リフォームには向かない

LGS工事は現場加工の困難さから、リフォームなどの工事には不向きです。
リフォーム工事は現状の内装などを残しつつ、工事を行っていくため、現状の状況に合わせた施工が必要です。

リフォーム工事では、現場での加工性の高さが重要となり、LGS工事は対応しきれない場合が多いことでしょう。
躯体の不陸調整や凹凸を合わせるためには、削るという加工が必要な場面が多いのがその理由のひとつです。

カット時に火花が出る

LGS工事では、加工に使用する工具に高速カッターを使用します。
鉄であるため、カットの際には火花が発生してしまいます。
工事現場によっては、火気厳禁の場合や、燃えやすいものがある現場もあることでしょう。

そのような現場では、火気対応の措置を講じなければいけません。
消火するための道具であったり、火花が発生しないように、高速カッターでなく手動でのハンドソーといった工具を使用しなければいけません。

電動工具である高速カッターでなく、手動の工具を使用しての加工作業は労力も時間もかかり、効率が落ちてしまいます。
材料の加工は事前に行い、現場での加工は最低限に抑えることがLGS工事の工事効率化を行うためには必要となってきます。

 

LGS工事の流れ

さまざまなメリット、デメリットがあるLGS工事には木の下地組みとは違った流れ工事を進めていきます。

  • 構造部分へのアンカー打ち込み
  • アンカーに吊りボルトを設置
  • 鋼材を吊り下げる
  • 石膏ボードを貼っていく

上記のような流れでLGS工事の天井下地組みは進んでいきます。ここからは、LGS工事の流れを詳しく解説していきます。

構造部分へアンカー打ち込み

まず始めに、構造部分となる梁などの材料にアンカーを打ち込みます。
このアンカーを打ち込むことで、これから組んでいく下地を構造部分が負担して落ちないようにします。

こちらをしっかりと打ち込みができていなければ、いくらキレイに組まれた下地材であっても落ちてしまったり、ずれてしまったりと不具合の原因となってしまいます。
はじめに行う工程であるため、しっかりと必要な箇所に適切な数だけ、アンカーを打ち込んでいきます。

アンカーに吊りボルトを設置

次に事前に設置したアンカーに吊りボルトを設置していきます。
吊りボルトは天井から吊り下げられたものであり、通常900㎜間隔で設置していきます。
この吊りボルトの先には、ハンガーと呼ばれる鋼材を固定するための部材を取り付けます。

この吊りボルトは床に対して垂直に設置する必要があります。
垂直に正しく設置されていなければ、天井の仕上がりに影響がでてきます。

垂直でなく斜めに設置されていた場合には、天井が斜めになったりと仕上げの精度が悪くなります。
設置の際には、垂直や水平には注意して設置を行うことが重要です。

鋼材を吊り下げる

次に吊りボルトの先端に取り付けたハンガーに鋼材を吊り下げていきます。
野縁受けと呼ばれる形が英語の「C」をしているCチャンを取り付け、シングル野縁と呼ばれる形が英語の「M」をしているMバーを設置していきます。

このように適切な箇所に決まった材料を配置していき、下地を組んでいきます。
長さが足りない箇所にはジョイントの部材などがあり、大きな空間の天井下地組みに対応可能です。

下地となる鋼材には、サイズや材質に違いもあるため、天井の大きさなどによって使い分けることも必要です。
例えば湿気の多い箇所では、ステンレスを使用することがあります。

石膏ボードなどを貼っていく

適切に設置された下地組みが完成したら石膏ボードをはり進めていきます。
910×1820で厚みが12.5㎜か9.5㎜のものが一般的によく天井に使用されます。

石膏ボードの貼り付けには、専用のビスを使用して貼っていきます。
軽天用のビスがあり、そちらを専用の電動工具使用して打ち込んでいきます。
このビスの打ち込み間隔もさまざま規定があり、200㎜や150㎜間隔といった形でそれぞれの現場や規定に基づいた間隔で打ち込み固定していきます。

この石膏ボードは、内装仕上げ材を施工するための下地になってくるため、割れや不陸が出ないように施工することが重要です。
LGS工事はこのように、軽量鉄骨によって下地を組んでいき、石膏ボードを貼れるようにする工事です。
最終的な仕上げのクロス工事などの仕上がりに影響するため、丁寧な作業が求められる工事です。

 

まとめ

今回の記事では、オフィス内装で行われるLGS工事の用途やメリット、デメリットについて詳しく解説していきました。
内装下地組み工事は主に、軽量鉄骨と木の2種類があります。

それぞれにメリット、デメリットがあり使用される用途には適した場面が存在します。
LGS工事のメリットを最大限に生かせる場面で利用することが重要です。

LGS工事の内容を正しく理解したうえで採用し、コスト面、作業効率、建物の強度などの向上を行えるようにしましょう。

なお、オフィスデザインに関するご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。
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