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オフィスの電気工事とは?いまさら聞けない工事の種類やポイントまで

今のオフィス機器には電気が必要不可欠です。パソコンにしてもコピー機にしても、エネルギーは基本的には電気に依存しています。そのため、電気工事はオフィス工事の中でも重要な位置を占めます。
さて、電気は扱いも理論も簡単ではないため、工事に関与する機会はほとんどありません。
しかし、オフィス工事を考える上では電気工事は絶対に外せないため、知識はあった方がベターです。
そこで、ここではオフィスの電気工事について、工事の種類やポイントを取り上げます。電気工事について打ち合わせる際に、スムーズに話せるようになるでしょう。

 

目次

・1.オフィスの電気工事について

・2.オフィスの電気工事のポイント

・3.オフィスで使える電気関連アイテム

・4.まとめ

 

オフィスの電気工事について

工事にはそれぞれ目的があります。その目的をしっかりと押さえておかないと、打合せの際に論点がズレるケースがあり得ます。そのため、工事の目的や種類を知っておかなければいけません。
そこで、ここではオフィスの電気工事について、目的と種類を解説します。

工事の目的

オフィスの電気工事の目的は「オフィスビルまで届けられた電気を各コンセントまで届ける工事」と言えるでしょう。
電気は発電所で作られるのですが、そのままでは強すぎて使えません。ある程度まで下げなければいけないのですが、そのための機器を設置する工事が電気工事です。
具体的には、街の電線に流れる電流は6600ボルトです。その電気はオフィスビルの設備によって100ボルトか200ボルトまで下げられてコンセントに届けられます。
そして、その間には分電盤や電気配線、スイッチなどを経由します。その電気関連の設備工事が電気工事なのです。

オフィスの電気工事の種類

ここではオフィスの電気工事の種類を取り上げて解説しましょう。

分電盤

電気工事の1つに分電盤工事があります。
分電盤はオフィスに届けられた電気を各コンセントに分ける機器です。中にはブレーカーが設置されています。
さて、電気を使い過ぎると分電盤のブレーカーが落ちて使えなくなりますが、それは安全対策のためです。電気は流れ過ぎると発熱してしまい、火災の原因ともなり得るからです。
分電盤はこのような事態を避ける安全性確保のための機器です。精度の高い工事が必要なのです。

電気配線

電気配線工事は配電盤からコンセントまでの電線を引く工事です。
電線は内装材の裏側に設置した電気配管の中を通って各コンセントに届けられます。
さて、配線は単に線を通す訳ではありません。最初の段階で、オフィスの図面を見ながら配線計画を立て、その後に行われます。オフィスの図面に照らし合わせて配電盤からの各コンセントやスイッチの位置を計画し、その上で電気配管が敷かれて配線を通すイメージです。
尚、配線計画がいい加減だと火災の原因にもなります。非常に重要な工事なのです。

コンセント工事

コンセント工事は壁面や床面に設置するコンセントを設置する工事です。
コンセント工事はコンセント裏側のボックス内でコンセントに結線して行います。尚、コンセントには100ボルトのタイプとエアコンなどに使う200ボルトのタイプがあります。
この工事もいい加減だと火災などの原因にもなります。簡単に見えて重要な工事なのです。

スイッチ工事

壁面などに設置するスイッチの工事です。これもスイッチ裏側のボックス内で結線をして行います。
スイッチは一般の壁スイッチの他にも種類は様々です。例えば、照明器に明るさ調整機能がある場合には、ダイヤル型の調整スイッチなどが使われます。
尚、スイッチにも電流が通ります。火災や感電事故に繋がるため、工事が悪いと危険です。

工事には資格が必要

電気工事には資格が必要です。電気工事士法という法律によって資格が規定されています。
さて、電気工事は一見すると電線を接続するだけの工事に見えるかも知れません。
しかし、電線の選び方や配線計画には様々な条件の加味が必要です。
例えば、電線に使われる銅は高価な金属のため、配線計画を誤ると工事費用が高額になります。
また、結線にしても不慣れな人の作業ではショートする可能性が高くなり、感電や火災の原因となり、危険です。

オフィスのレイアウトの決定後が望ましい

電気工事は基本的にはオフィスのレイアウトの決定後が望まれます。
これは、デスクの配置を決めてからコンセントの配置を決めた方が、オフィスの使い勝手が良くなるからです。
例えば、配線計画を先にしてしまった場合には、コンセントの位置と数を間違うかも知れません。パソコンの電源ケーブルを繋ぐ場合も苦労することでしょう。
しかし、配線計画をレイアウト決定後に立てれば、コンセントで困るケースが少なくなります。
電気工事はレイアウト決定後がベターなのです。

 

オフィスの電気工事のポイント

ここではオフィスの電気工事のポイントを紹介しましょう。

配線の修正が容易であるべき

オフィスでは配線の修正が必要になる場合があります。
よく見られるのは、組織変更に伴うデスクの移動です。デスクが移動すると、パソコンなどのオフィス機器の位置も変わります。
その場合、コンセントの位置がデスクに合わせて変わらないと、逆にオフィスが使いにくくなるでしょう。
しかし、配線の修正が容易であればコンセントの位置であまり困りません。
具体的には、壁コンセントよりもOAフロアを採用し、床コンセントを多用する方法があります。

メンテナンスを容易にする

電気まわり設備にはメンテナンスが必要な機器があります。
例えば分電盤が挙げられます。
オフィスの分電盤は住宅用よりも大きくいため、メンテナンススペースが必要です。
しかし、例えばドアなどの可動範囲と干渉する場合には、メンテナンススペースが取れないケースが発生します。…このような状態ではメンテナンスに手間取るかも知れません。
配線計画は機器のメンテナンスまでの配慮が必要です。

床やデスクにもコンセントは欲しい

壁コンセントからケーブルを引いてオフィス機器を接続する場合には、どうしてもタコ足配線になります。
また、ケーブルを床に敷くと、ケーブルにつまずいたり、断線したりするケースが考えられます。
この状態はあまり良くありません。
むしろ、コンセントは床やデスクに配置すべきでしょう。
この時に有用なアイテムがOAフロアです。床にコンセントを設置しやすく、ハーネスOAタップなどを使えば、コンセントの増設も容易です。
床コンセントにケーブルタップを接続すれば、机上へのコンセント設置も可能となります。オフィスは各段に使いやすくなるでしょう。

雷対策は十分に

雷は避雷針があれば大丈夫…とは言い切れません。雷の影響でオフィス機器に高い電圧の電流が流れ込み、機器を故障させるケースがあるからです。
そのため、避雷針があっても雷対策は必要なのです。
対策としては避雷器の設置があります。
避雷器は雷の影響によって発生する高圧電流を逃がして設備を守る装置です。電源だけでなく、LANケーブルなどにも対応するタイプがあるため、強固な雷対策が可能です。

アース付きコンセントについて

デスクトップパソコンなどの機器のプラグを見るとアース線が付いているものがあります。
このような機器はアースを確実に接続しなければいけません。仮に、未接続の状態で使い続けると感電や故障などの原因にもなるからです。
しかし、コンセントにアース端子がなければ、そもそも接続ができません。
そのため、コンセントにはアース端子の付いたタイプを可能な限り選ぶ方がベターでしょう。

電気容量の計算

電気容量の計算は最初の時点で必要なのですが、「余裕を持ちながらの計算」は大きなポイントです。
これはオフィス内の必要電力が上った場合に備えるためです。
例えば、従業員が増員された場合には、オフィスで使用するパソコンの数が増え、それだけ使う電力が増えます。
特に、クリエイター系の高性能パソコンは使用する電力が大きいため、増員によるパソコン数の増加は決して無視はできません。
電力が不足すると業務に支障を来します。電気容量は余裕を持って計算しましょう。

工事は許可が必要

オフィスの電気工事は無断で行ってはいけません。
必ずビルの管理会社やオーナーの相談をしてから行いましょう。
仮に無断で行った場合には、ビルの所有者や管理会社とのトラブルに発展し得るため、危険です。
尚、許可を取る際には書面におけるやり取りが必要です。工事や打合せの内容などを記録して保管しておきましょう。

工事業者選定は慎重に

工事業者選定も重要です。
仮に、良くない工事業者を選んでしまうと、コストが余計に発生したり、施工が悪かったりするからです。施工が悪い場合には、使用するオフィス機器のパフォーマンスも落ちるかも知れません。
例えば、配線計画において、電源線とLANケーブルなどを近づける計画をすると、LANの接続状態が悪くなるケースがあります。…ノイズが発生してLANを阻害し得るのです。
このような事態を避けるためには業者選定が大きなカギとなります。過去の工事実績などを調べて、確実な業者を選びましょう。

ノイズ対策を忘れずに

ノイズ対策も重要です。
ノイズ対策は機器のパフォーマンスを保つために必要です。電気的なノイズが機器に入ると誤作動をさせてしまうからです。
例えば、蛍光灯はノイズの発生源ですが、近くにパソコンなどケーブルがあると動作に支障を来し得ます。そのため、ケーブルとケーブルを離したり、ノイズフィルタなど設置したりする対策が必要です。

通信を無線化する

ケーブル類が増えてしまうと、どうしても乱雑になりがちです。
しかし、無線化をすればケーブルそのものが必要なくなるため、ケーブル起因によるトラブルが解消できます。
ただ、無線化した場合にはオフィスの隅々まで電波を届けなければいけません。別途にWi-Fiの専門家との相談が必要となるでしょう。

オフィスで使える電気関連アイテム

ここではオフィスで使える便利な電気関連のアイテムを紹介しましょう。

OAフロア

OAフロアは二重床の下にケーブル類を這わせる床です。ケーブルをフロアの下を通すため、フロア上にケーブルが現れず、スッキリした納まりになります。
また、ケーブルにつまずいたり踏んで断線したりするリスクが無くなります。床コンセントの設置も容易です。
他にも、オフィスで発生する騒音を下の階に伝えない点も魅力的です。
コストは高めになるケースが多いですが、大きなメリットがある魅力的なアイテムと言えるでしょう。
尚、OAフロアには遮音の点でも有用です。足音が下の階に響く現象を抑えられます。

雷サージ対応タップ

雷対策を先に述べましたが、ケーブルタップにも雷対策が施されたタイプがあります。
二重に使うと安全性がそれだけ上がります。
オフィス機器に流れ込んで来る雷による電流は数千ボルトにも及びます。流れる時間は一瞬なのですが、電子機器に与えるダメージは時として致命的です。雷サージ対応タップは費用的にも高額なものではありません。安全対策としての使用が推奨されます。

配線カバー

配線カバーは床上に配線を這わせる場合に便利なアイテムです。使用すればつまずくリスクが抑えられます。
費用も安く、100均で販売しているカバーもあります。
ただ、配線カバーは中に入れられる電線はそれほど多くありません。また、あまりにも配線カバーを使い過ぎると、見た目も良くはないでしょう。
「配線カバーがあるから配線計画は適当で大丈夫」と考えるのではなく、配線計画を第一にして、配線カバーは補助的に考える程度が良いと思われます。

テスター

テスターと聞くと工事業者が使う道具…と思えるかも知れませんが、一般の人でも使用は可能です。
例えば、コンセントから電気が来ていないと思われる場合、コンセントをチェックできます。
操作もそれほど難しくありませんし、価格も数千円程度のタイプがあります。オフィスに1台あると、何かと便利です。

 

まとめ

オフィスと電気工事について取り上げました。
オフィスの電気工事の種類について、あるいは工事のポイントについてなど、普段はあまり触れられない話が多かったかも知れません。
また、電気工事には資格が必要であることを知って、電気工事の重要性と危険性を改めて感じた人もいることでしょう。
オフィスには電力が欠かせません。オフィスを造る際には設備や内装だけでなく、電気に関する計画も並行して行いましょう。

尚、オフィス内装工事のご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。
LAN工事を含めた、オフィスのデザイン・設計から施工まで承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。

さらに、物件選びからサポートをしているため、要望に合ったオフィス空間を提供できます。
「ビルディングデザイン」を利用して、費用を抑えつつ快適な新オフィスをデザインしましょう。
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