ビルの内装塗装工事はこれで分かる!メリット・デメリットからDIY工事まで解説
ビルの価値を決める要因の1つに「内装」があります。
確かに、ビルの価値を決める条件や立地や築年数、そして設備など、多くの条件があります。
しかし、内装は居住空間の居心地などを決める重要な要素です。賃貸オフィスやマンションなどの場合、家賃を決める上で重要な決定条件の1つにもなるのです。
ところで、内装作りと聞くと壁には壁紙を張って…といったクロス張りの内装を思い出す人が多数派だと思います。
しかし、内装は壁紙だけではありません。「塗装工事」による内装作りも可能です。
そこで、ここではビルにおける内装塗装工事について解説します。
目次
ビルの内装塗装工事について
まずはビルの内装塗装工事について解説します。
内装は塗装でも作れる
冒頭にも取り上げたように、塗装でも内装作りは可能です。
さて、塗装による内装作りは壁紙による内装とは相当に異なります。
内装の仕上がり、コスト、オリジナリティなど、かなり多くの点が違うため、もしかすると違和感を持つかも知れません。しかし、それを「味わい」と捉えるならば、内装作りの幅が広がることでしょう。
尚、後述しますが、塗装工事はDIYでも比較的容易です。自分で部屋の色を決める内装は大いに楽しめることでしょう。
壁紙とは雰囲気が異なる
内装を塗装で作ると壁紙の部屋とは変わった空間になります。
壁紙の部屋は明るく、飽きの来ない落ち着いた空間演出が可能です。「くつろぎ」といった点でも優れているでしょう。
しかし、塗装の場合はそれに加えて「変化」や「オリジナリティ」を出しやすいです。塗装の場合はフラットにも塗れるのですが、敢えて色ムラを加えるなど、個性の表現が可能なのです。
例えば、マンションのLDK部分にキッズスペースを設ける場合には、その部分だけを子供向けに色を変えられます。塗装とするならば、局部的であっても雰囲気を変えられるのです。
部分的な工事も容易
塗装は部分的な工事が容易です。
例えば、部屋全体を同一の色で塗るのではなく、一部分の色を変えて塗ることも簡単にできます。
また、後述しますが、DIYでも比較的簡単です。ローラーや刷毛などはホームセンターで売っているため、簡単に手に入ります。
他にも、部分的な工事であればコストも安くて済む特徴があります。これも、ホームセンターで塗料が販売されているため、使う分だけ買って来ればよい訳です。
ただし、部分的に塗装をするためには色調を周囲に合わせることや、全体の色彩計画を十分な検討が大切です。
ビルに内装塗装工事をするメリット
次に、ビルに内装塗装工事をするメリットについて取り上げましょう。
質感が独特
内装を塗装で仕上げた壁は質感が独特です。色の使い方によってフラットに仕上げられますし、変化も付けられるからです。質感は微妙に変わるため、独特の空間となります。
ところで、この質感は壁紙では表現が簡単ではありません。壁紙は確かに明るくて飽きの来ない空間にはなりますが、ある意味で面白みのない空間になります。…つまり、オリジナリティに欠けるのです。
しかし、塗装は質感が壁紙で作る壁とは違います。変化に富んだ空間を作れるのです。
カラーバリエーションが多い
塗装はカラーバリエーションが非常に多いです。塗料のカタログを見るだけでも、相当の数の色が揃っています。
また、塗装業者によってはケースバイケースで調色の変更にも対応してくれます。複数の色を混合してオリジナルの色を作るのです。
この調色の変更は内装にこだわる人には推奨できる技術です。室内に置く調度品によって塗装の色を変えられるため、雰囲気を自在に操れます。
尚、このような施工は壁紙ではできません。壁紙もバリエーションが豊富ですが、パターン数には限りがありますし、調色変更のような対応は不可能なためです。
塗り替えが容易
内装の塗装の場合は塗り替えが比較的容易です。
壁紙の場合には、一旦既存の壁紙を剥がさなければいけません。室内の全体の壁紙は部屋にもよりますが、剥がさなければならない壁紙が非常に多いため大変です。
その点、塗装は下地処理がそれほど手間は掛かりません。
尚、今では壁紙の上から塗装するケースが増えています。壁紙を剥がさなくてもよいため、手間が少なくて済みます。
色に変化を付けられる
色に変化を付けられる点も塗装のメリットと言えます。
塗料の場合には、複数の色を変えながら塗れます。例えば、窓からの採光の状況によって、明るい色と暗い色を使い分けることもできるのです。例えば、ホワイト系でも光沢を持たせた色、マットな色、アイボリー系のホワイトなどを使い分ければ、部屋に変化が付き、面白くなります。
その点、このような変化を強調した施工は壁紙ではありません。基本的には壁紙は同じもので全体に貼ります。そのため、色の変化もなくて単調な仕上がりになります。塗装とは大きく異なる点と言えるでしょう。
廃材が出ない
内装を塗装で対応するならば廃材は出ません。
さて、これは環境問題を考えるならば意義深いと言えるでしょう。確かに塗料の空き容器などは出るでしょうが、廃棄物として出る量はそれほど多くはありません。
その点、壁紙の場合は既存の壁紙を撤去するため大量の廃材が出ます。特に、ビルの広い部屋の改修であれば、廃材の量は非常に多いです。
この廃材は業者が廃棄するため、それほど問題がないようにも思えますが、環境問題の観点から考えるならば問題は残ります。廃材は焼却されるため、温室効果ガスが出るのです。
工事はいつでも可能
塗装工事は比較的容易なため、工事スケジュールの融通が利きやすいです。
また、DIYによる施工も可能なため、いつでも工事が可能と言えます。色彩の計画と塗料の購入、ホームセンターの塗料の在庫などが工事スケジュールに関係するでしょうが、スケジューリングは容易です。
その点、壁紙は工事がいつでも可能とは限りません。内装業者のスケジュールによって工事日が変わるため、こちらの都合に合わせられない場合があるのです。
確かに壁紙もDIYで施工が可能ですが、誰でも可能な訳ではありません。工事のタイミングは塗装の方が決めやすいのです。
ビルに内装塗装工事をするデメリット
次に、ビルに内装塗装工事をするデメリットを挙げましょう。
コストが高め
塗装の条件にもよりますが、コストが高くなる場合があります。
これは塗料のコストと人件費が膨れ上がる現場があるからです。
塗料にはグレードがあり、それによって金額が異なります。塗料のグレードとしては以下のものがありますが、それぞれ価格が異なります。以下に挙げた塗料では、アクリル系が安価でフッ素系は高額です。
・アクリル系
・ウレタン系
・シリコン系
・フッ素系
この内、高いグレードを選ぶとコストが高くなるケースが発生するのです。
尚、ハイグレードになると耐用年数が延びます。耐用年数が長くなるとメンテナンスが少なくて済むため、内装のメンテナンス費用が安く済む場合があります。状況にもよりますが、塗装工事とメンテナンス工事を合算した場合、ハイグレードの方が安くなる場合があります。メンテナンスまで含めた資金計画が必要となるでしょう。
汚れが付着しやすい
塗装は汚れが着きやすい点がデメリットです。
内装は意外と汚してしまうものです。例えば、テーブルを壁に接して配置するならば、飲み物をこぼして壁を汚すケースのようなアクシデントがあります。
その時、壁の塗装があまり良いものであれば、汚れが付着してしまい、取れにくくもなるのです。
ただ、塗料によっては表面の撥水性能が高く、汚れが付着しにくいタイプもあります。ただし、そのような塗料は基本的には高級グレードになるため、塗装コストは高いです。
塗装時には臭う
今では水性塗料が増えました。これにより、昔の溶剤系の塗料よりも臭いが少ないです。
しかし、水性塗料であっても揮発性の化合物は含まれます。そのため、昔の塗料ほどではないのですが、やはり塗装時の臭いはゼロにはなりません。
しかも、内装部分は換気がしにくい場合もあるため、臭いが残るケースがあるのです。
内装の塗装工事業者は専門家であるため、換気にも十分に注意はするでしょうが、「完全」であるとは限りません。臭いが残るケースはあり得るでしょう。
DIYによる塗装工事について
前述のように、ビルの内装塗装工事はDIYでも対応可能です。
ここでは、ビルの内装塗装工事のDIYについて解説します。
塗装はDIYでも可能
ビルの内装塗装工事はDIYでも対応は可能です。
塗装には特殊な工具も必要ないため、DIYのスキルがある程度あれば可能でしょう。
ただ、塗装の面積が増えると労力がそれだけ掛かります。塗装業者に依頼する場合と比較して決めると良いでしょう。
尚、投資用の不動産である場合はDIYで対応した方が投資金額は減るため、見かけ上の利回りは上がります。利回りが上ると銀行の評価が上がるなど、副次的な効果も狙えるため、トータル的に判断するべきでしょう。
コストが抑えられる
塗装工事をDIYで行うとコストが抑えられます。
塗装工事の費用には人件費が入っていますが、DIYによる施工であれば人件費が発生しないため、トータルコストが抑えられるのです。
ただ、プロの施工業者は塗装に関する多くのノウハウを持っています。DIYの上級者であれば塗装業者並みの技術があるでしょうが、そうでない人は工事の品質が落ちる場合があります。
自分のDIY技術を見定めた上で決めましょう。
色の自由度が高い
DIYによる施工であれば自在に色を作れます。
例えば、グレー系の色を作る場合、単にホワイトとブラックを混合するだけでなく、別の色の添加により、変化を出せます。
また、室内の調度品のイメージに合わせて自分の色を作れるでしょう。
ただ、色を決めるためにはセンスと経験が必要です。配合が微妙になりそうな場合は、プロに依頼する方が良いかも知れません。
スケジュールも自由
スケジュールも自由です。
小規模であるならば休日の施工も可能でしょう。
ただ、大きな場所や養生が複雑になる場所は、どうしても作業時間が掛かります。
スケジューリングには作業のボリュームを勘案しなければいけません。また、資材の片付けなどの時間も必要です。時間はあくまでもトータル的に考えましょう。
尚、可能であるならば、まとまった休みの取れるタイミングの施工が良いと思われます。
DIY塗装のポイント
このように、DIYによる塗装にはメリットがあります。
しかし、DIY塗装には押さえる押さえるべきポイントがあるため、闇雲に作業に掛かるべきではありません。
そこで、ここではDIY塗装のポイントを取り上げましょう。
健康被害を受けない塗料を選ぶ
最初に挙げられる点は「健康被害を受けない塗料を選ぶ」点です。
塗料には水性と溶剤系がありますが、基本的には水性塗料を選びましょう。
換気に気を付ける
前述のように、水性塗料であっても揮発性の化合物が含まれるため、臭いがゼロにはなりません。そのため、換気には気を付けるべきです。
窓や換気扇を使うだけでなく、現場によってはサーキュレーターを設置すればベターです。
尚、仮に溶剤系の塗料を使う場合には、換気だけでなく火気にも注意が必要です。火災のリスクもあるため、塗料への引火には十分に気を付けましょう。
色ムラのないように
塗り方が悪いと色ムラができる場合があります。
色ムラができると乾燥後の見栄えが悪くなるため気を付けましょう。
特に、細かい部分をハケで塗る場合、塗料が溜まりがちなため、注意が必要です。
養生を確実にする
塗装には養生が必要です。
塗料は一旦付着すると簡単には落とせません。
余計な部分に塗料が付着しないように、確実に養生をしましょう。
尚、養生に使う材料にも気を付けなければいけません。テープを使う場合などは、テープがどれくらいの粘着力を持つか確認する方がベターでしょう。
まとめ
ビルの内装塗装工事について取り上げました。
内装に塗装を採用する場合のメリット・デメリットやDIY工事について把握できたと思います。また、DIY施工の注意点が確認できた人もいることでしょう。
ビルの内装はビルの価値まで影響を及ぼす非常に重要な部分です。より良いビルを作るためにも内装について検討しましょう。
なお、塗装工事を含む内装・設備工事に関するご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。
オフィスデザイン・設計から施工まで自社ですべての内容を承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。
さらに、物件選びからサポートをしているため、要望に合ったオフィス空間を提供できます。
「ビルディングデザイン」を利用して、費用を抑えつつ快適な新オフィスをデザインしましょう。