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オフィスの移転はいつから行う?段取りやスケジュールを解説

オフィスの移転を計画しているものの、「何をどのようにすればスムーズにオフィスの移転ができるのか」わからない方のために、当記事では移転するまでの手続きや移転のためにかかる費用について、わかりやすく解説していきます。

 

目次

・1.現在入居中のオフィスの退去までに行うこと

・2.移転先オフィス決定までに行うこと

・3.移転先ビルが決まったら社内で行うこと

・4.移転先ビルが決まったら社外に伝えること

・5.まとめ

 

現在入居中のオフィスの退去までに行うこと

まず、オフィスの移転時期を決めることから始めます。だいたいオフィス移転には平均でも6ヶ月はかかると言われています。6ヶ月という数字は、今のオフィスを退去することから逆算して6ヶ月と考えてもらってまず間違いはありません。

また、オフィス移転が正式にきまったら、現在入居しているオフィスのビルの賃貸借契約書の確認をすることが必要です。
契約書のどの部分を確認するのか、順を追ってご説明します。

1.退去予告はいつまでにするのか確認する

ビルの賃貸借契約の中に、退去するときはいつまでに予告をするのかを記載した項目があります。退去日の6ヶ月前に退去予告をするのが一般的ではありますが、ビルによっては退去予告期間が違うところもあるため、退去予告の項目についての確認はしっかりしておきましょう。
万が一、退去予告期間を過ぎてからの予告をすると「解約金」の支払いが発生する可能性も出てきますので、見落とさないようにします。

2.入居契約時に支払った保証金の返却について確認する

現在入居中のビルの賃貸借契約をしたときに、保証金を支払っている場合には、どのくらいの時期や金額が返却されるのかを確認しましょう。
保証金が返却される時期は、退去後3ヶ月から6ヶ月後が一般的です。

3.原状回復義務があるかどうかを確認する

ビルの賃貸借契約書の中の「原状回復義務」の項目があるかどうか、確認します。
現在のビルに入居した際、内装工事を行ったり、壁や床に傷がついている場合に契約書に「原状回復義務」の項目が記載されている場合、入居前の状態に戻してから退去する必要が出てきます。

原状回復をすることなく退去すると、ビルのオーナーとのトラブルにもなりかねません。
退去前にビルのオーナーと原状回復する範囲を確認し一致させておき、そのあと原状回復工事をする業者の選定を行うと、原状回復に関するトラブルの防止にも繋がります。

4.処理やリサイクルできる廃棄物があるかを確認する

見落としがちなのが、オフィスを退去するときに出る廃棄物です。
廃棄物を処理する際にかかる費用やリサイクルできる廃棄物にかかる費用を確認しておきます。

 

移転先オフィス決定までに行うこと

次に、移転先のオフィスについて場所の選定からスムーズに移転先オフィスで業務を始めることができるまでにやることを説明していきます。

1.新しいオフィスへの移転の目的をクリアにする

新しいオフィスへ移転する目的が何なのかを明確にします。
たとえば、

  • 従業員数が明らかに増えることがわかっていて、現在のオフィスが手ざまになるため移転をする
  • テレワークが主流になり、オフィス出勤する人が減ってきているため、賃料を抑えるため、今よりも小さなオフィスへ移転することでコスト削減を図る
  • ブランドの高い土地に移転することにより、新卒や中途採用者を増やす

など、オフィス移転の目的を明確にしておきます。

 

2.新しいオフィスビルを事前に探し始める

オフィスの移転目的が明確になれば、次に遅くとも半年前くらいまでに、移転先のビルに選定しておくといいでしょう。今は直接、不動産会社に出向かなくても、事前にインターネットでビルに目星をつけておくことが可能です。

事前に、移転先オフィスへの従業員の通勤ルートの事前確認や最寄り駅からの通勤が楽になるか、周辺によく使う役所、銀行や郵便局などの施設があるか、来客者が訪問し易い場所にあるか、朝のオフィス階への移動時の混雑具合などを事前に把握することができ、移転先ビルを選定する際の有用な決め手となります。
同時に入居する際に必要な保証金の額などについて、お問い合わせしておくとなおいいです。

また、この際にオフィス内装業者の意見も聞いておくとメリットがあります。
空調の位置やビル側の指定業者を入れて設備工事をしなければならない場合は、高い工事費を請求される場合があります。

オフィスビル探しで契約前に確認すべきことは以下になります。

  • 希望するレイアウトで壁を建てた時に良い位置に空調があるかなど設備を確認すること。工事会社の意見を聞くことが重要です。

 工事区分表を確認すること。ビルによっては設備だけでなく壁を建てることもビルの指定業者でしか施工できないなどのルールがあり、高額な工事費用を請求される場合があります。

3.新しいオフィスビルを決める

事前情報でこれだという物件に目星がついたら、移転先ビルを決定しますが、決定する前に確認しておきたい事項は以下のとおりです。

  • 従業員が十分に業務を遂行するスペースが確保できるか
  • 入居人数
  • 業務スペース、会議室、応接室等の内装レイアウト
  • 椅子や机などの什器を一掃するか、それとも新しく買い替えるか
  • 部屋の明るさ

上記の条件を確認し、移転先ビルを決めましょう。

 

移転先ビルが決まったら社内で行うこと

移転先のビルが正式にきまったら、次に行うのは移転に向けての準備です。
準備する内容は以下のとおりです。

1.移転先オフィスと締結する契約内容を確認する

移転先オフィスと賃貸借契約書を交わしたら、敷金礼金やビルについての契約内容を予め確認しておきましょう。
また、入居日や連帯保証人の有無についても併せて事前確認をしておきます。

2.移転に向けての引越し業者を選定する

移転に関して引っ越し業者の選定を行います。

業者によって、すべて一括して引っ越し作業を行ってくれる業者を選定すると、移転日からすぐに業務を始められるメリットがありますが、コストはそれなりにかかります。一部のサービスを行う企業を選定すればコストを抑えることができても、業務開始日にすぐ業務が初められるかはわかりません。
引っ越しによってサービスとサービスに伴う費用が異なりますので、引っ越しにかけられる予算と相談しながら、複数の引越し業者に相見積もりを取り、一番予算と理想に近い業者を選定しておきます。

3.内装業者の選定をおこなう

移転先ビルの内装を工事してくれる業者を選定します。

初めての引っ越しで適正価格がわからない場合は、複数業者に相見積もりを取り、内装工事の実績があり、工事内容を詳しく説明してくれる業者を選定しましょう。

また、居抜き物件か原状回復済みの物件かによって、内装工事にかかる費用も異なります。
内装工事を抑えたい場合は、移転先ビルは居抜き物件に決定しておくといいでしょう。

なお、内装工事を始める前にはまっさらな状態の部屋の写真を撮っておくことをおすすめします。

4.現在使用中の什器・OA機器がそのまま利用できるか確認

現在のオフィスで使っている什器やOA機器をリースしている場合、移転先でもそのまま使うことができるか、リース会社に確認しておきましょう。

5.移転先オフィスにかかる費用を確認する

移転先オフィスに入居する際に支払う保証金、礼金(あれば)、仲介手数料などの額を正確に把握しておきましょう。

6.移転先オフィス入居に際してのルールを社内連絡する

移転先ビルにおいて存在するゴミの捨て方や廃棄方法を事前に社内に共有しておきましょう。
またビルによっては社員証の提示で入館の有無を判断するビルもありますので、社員証の有無も確認しておくとよいでしょう。

あらかじめマニュアルを作っておいて、社内ネットや共有スペースにおいてどこでも見られるようにしておくことをオススメします。

 

移転先ビルが決まったら社外に伝えること

移転先ビルが決まったら、社内だけではなくお得意様を含めた取引先にも新しい住所を必ず伝えておきます。会社の住所や連絡先が変わるで、請求などお金に関わるところにも影響を及ぼすことも十分考えられるため、忘れないようにしましょう。

1.ホームページなどのメディアを更新し、オフィス移転を告知する

オフィスの移転日や移転先が確定したら、会社のホームページなどで事前に告知をしたり、来訪された取引先の方に直接お伝えするなど、移転先の情報を事前に知らせします。

またメールを送る際、オフィスが移転すること、移転日や新しい連絡先をお伝えする署名を追加しておくとわかりやすいです。

2.移転案内文を作成する

移転案内文を作成する場合、現在の住所での業務最終日と、移転先住所での業務開始日をお伝えしましょう。
また、案内文をお送りする企業リストも併せて準備しておきます。

引っ越し作業のため、休業する場合は休業日も必ずお伝えしておきます。

3.移転案内文を発送する

お得意様だけではなく関係する全ての取引先に、移転する1ヶ月前を目処に移転案内文を発送します。
送り忘れがないか、発送する前に企業リストと照合しておくとなおいいでしょう。

4.封筒・名刺などを新しい住所のものにする

封筒や名刺・請求書・納品書・社印・ゴム印・社員証などの各種備品の住所を移転先住所のものにして変更しておきます。

5.役所関係への申請を行う

会社の住所が変わることで、官公庁への届け出を行う必要がでてきます。
これらの手続きは忘れないように行いましょう。

手続きを行う官公庁は以下のとおりです。

  • 法務局
    ※移転後2週間以内に登記申請書を提出
  • 税務署
    ※移転した日から1か月以内に事業年度、納税地などの申し出
     事前に何を申請するか、新しい住所を管轄する税務署に問い合わせしておく
  • 都府県の県税事務所
  • 公共職業安定所(ハローワーク)
  • 労働基準監督署
  • 郵便局
  • 警察署
  • 消防署
    ※防火管理者届の提出が必要
  • 日本年金機構

6.宅配業者などに住所変更の連絡をしておく

会社へ届く荷物が旧オフィスに届くことがないよう、宅配業者に移転先住所を連絡しておきましょう。

7.移転先ビルから求められる書類を提出する

移転先ビルの管理会社から、会社概要などの書類提出を求められる場合があるため、すぐに提出できるように、管理会社に確認のうえ、すぐ提出できるよう準備しておきます。

8.旧ビルの明渡しをする

旧ビルの管理会社立会いのもと、原状回復がされているかなど退去に問題がなければ明渡しが完了します。
この際、後々のトラブルが起こらないように現状回復工事終了後の写真をとっておくといいです。

 

まとめ

オフィスの移転で大切なことは、移転の目的を明確にし、余裕を持って移転準備を行うことです。
また、退去するオフィスでは退去時のトラブルが起こらないようにしっかりと賃貸借契約書を確認し、移転するオフィスにおいては、移転日から通常業務が行えるようにしっかりとスケジューリングや必要な手続きを行うことが必要です。

移転直前になって焦ることのないよう、チェックリストを作ってスムーズな移転ができるように準備していきましょう。
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