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オフィスの退去で覚えておきたい!内装解体工事を徹底解説

オフィスに不具合があれば効率アップを狙って改善すべきです。
ところで、オフィスは「作る」だけではありません。「壊す」ことも時には必要です。
他の事務所に移転する時も、原状回復のために現状のオフィスを壊さなければいけないでしょう。
さて、壊す工事をスムーズに進めるには、やはり解体工事についても知るべきです。
そこで、ここではオフィスの内装解体工事について、概要から流れ、そして廃棄物処理まで解説します。

 

目次

・1.オフィスの内装解体工事とは

・2.オフィスの内装解体工事の流れ

・3.解体工事のコストを下げるために

・4.産業廃棄物処理について

・5.まとめ

 

オフィスの内装解体工事とは

まずは、オフィスの解体工事について解説します。

オフィスの内装解体工事とは

オフィスの内装解体工事とは、その名の通り「オフィスの内装部分を解体する工事」です。オフィスをスケルトン状態に戻す工事、とも言えるでしょう。
具体的にはオフィス内の既存のファニチャー類やOA機器を撤去し、天井やフロアを解体・撤去します。また、その工事によって発生した廃棄物の処理も行います。
廃棄物の処理は業者に預ければ勝手に持って行ってくれる…とは行きません。廃棄物処理は、あくまでも事業者が主体にならなければいけないのです。内装解体工事は廃棄物処理まで含むのです。

スケルトン解体と原状回復

オフィスの内装解体工事には主に「スケルトン解体」と「原状回復」があります。工事を見るならば両者は同じように見えますが、そもそもの目的が全く異なります。
まずスケルトン解体ですが、これは「オフィス内装の解体・撤去」が目的です。そのため、オフィスの内装を撤去して廃棄物を捨てた状態で完了となります。

その一方で原状回復は「入居時の状態に戻す」ことが目的です。そのため、入居前の状態に戻して完了となります。入居の時に加工をした場合には、その補修が必要となるでしょう。
この違いを理解していないと適切な工事計画を立てられないかも知れません。両者の相違点の理解は重要なのです。

 

オフィスの内装解体工事の流れ

次に、オフィスの内装解体工事の流れについて解説します。
工事をスムーズに進めるためには重要な知識です。

オフィスのオーナーとの打ち合わせ

最初にオフィスのオーナーとの打ち合わせを行います。移転の日程や工事の内容、そして費用に関する件が主な打ち合わせ内容です。
さて、オフィスは工事区分によって所有権や業者決定権、そして費用負担が企業側とオーナー側で異なります。そのため、自社に有利な条件を勝ち取るか否かが、打ち合わせにおける重要項目です。
例えば、オフィスはA工事・B工事・C工事に分けられます。この内のB工事は、オーナー側が業者発注権を持ち、入居している企業が費用を負担します。企業はオーナーに可能な限りB工事を安価にさせなければいけません。
このような交渉がオーナーと行われます。非常に重要な段階なのです。

見積りを取ってチェックする

次は見積もりを取って金額と内容をチェックします。
この段階で重要な点は工事の内容が現状のオフィスにマッチしているか、あるいは費用が適正な価格か否かの確認です。
ところで、費用は基本的には安価な方がベターですが、あまりにも安い業者は危険である可能性が高いです。
例えば、悪質な業者は解体で発生した廃棄物を不法投棄する可能性すらあります。
仮に、そのような事態に陥ったならば、企業のイメージダウンにも繋がり得ます。見積もりチェックは重要なのです。

周囲に挨拶にまわる

周囲のテナントに挨拶にまわります。
挨拶は基本的には工事業者が行いますが、施主の立場として、業者に同行する方がベターでしょう。
ところで、挨拶の時に特に重要な点が工事に関する説明です。
工事は大きな音を立てる場合が多く、しかも継続して続きます。ある時にはエレベーターを独占するかも知れません。また、粉塵も舞います。これらは周囲のテナントから見れば迷惑なため、作業時間や工期などの説明が必要なのです。
尚、この挨拶を欠くならば企業イメージも落ちますし、工事中にクレームが来やすくなるかも知れません。挨拶は重要と捉えましょう。

スケジュールを決める

次に、工事のスケジュールを決めます。
どの時期にどの工事を行うかを業者と相談をしましょう。
ところで、スケジュールはある程度の余裕を持たせる方がベターです。ケースにもよりますが、想定外の事態もあり、その対応に追われるケースも考えられるからです。
例えば、解体する部分の強度が予想を超えていた…となれば、その部分の破壊にも時間が掛かります。
ただし、スケジュールに余裕を持たせたとしても、工程は可能な限り遅らせてはいけません。スケジュールの余裕は、あくまでも「不測の事態」に備えての余裕…と考えましょう。

残置物を撤去する

オフィスのデスクやファニチャーなどの残置物を撤去します。
この段階で重要な点は「情報漏洩の防止」です。
残置物の撤去は業者が請け負ってくれますが、機密文書の入ったパソコンなどを第三者への処分依頼は良くありません。今のパソコンは暗号化技術により、情報を簡単には引き出せませんが、それでも用心すべきです。
機密情報の入った文書やパソコンの処分は、解体業者以外のオフィス関連の専門業者に依頼する方がベターでしょう。

ライフラインを止める

オフィスに来ているライフラインを止めます。
ライフラインを止める場合も最初に建物のオーナーに連絡します。オーナーが建物全体で契約している場合は停止依頼を出してもらいましょう。
また、自分で停止する場合には解体業者とタイミングを見て停止依頼を出します。
尚、水は解体業者が工事や掃除に使うため、水道を止めない場合があります。水道代の清算が発生するため、誰が負担するかを決めておきましょう。

工事

ここでは具体的な解体工事について解説します。

養生をする

最初に養生をします。
養生は工事の際に発生する騒音や粉じんの飛散を抑える上で、非常に重要です。
オフィスビルの他のテナントは解体工事の最中も営業を続けています。周囲のテナントに迷惑をかけないためにも養生は欠かせないのです。
尚、仮に周囲のテナントからクレームが来た場合、養生をしていなければ工事が悪いと取られてしまい、トラブルは大きくなるかも知れません。しかし、養生をしていれば不可抗力とされて、話が大きくなる可能性は下がり得ます。

内装材を撤去する

壁材や天井材、そして床材などの内装材を撤去します。
内装の撤去はケースバイケースです。例えば、あるオフィスであれば床を撤去するのに、別なオフィスでは床は残す…といったケースがあるのです。

廃棄物処理

オフィスの内装解体には多量の廃棄物が発生します。事業者はその工事で発生した廃棄物を処理しなければいけません。
廃棄物の処理は業者に委託して行いますが、あくまでも主体となるのは廃棄物を出した事業者です。
また、依頼した解体業者が別の処理業者に委託する場合であっても、施主の責任はなくなりません。

清掃

解体には大きなゴミだけでなく、粉塵も相当に出ます。解体した部分の全部をきれいな状態に戻して作業は終わります。

 

解体工事のコストを下げるために

オフィス内装の解体工事の工事規模は意外と大きな工事です。
そのため、費用が気になる人もいるでしょう。
そこで、ここでは解体工事のコストを下げる工夫を紹介します。

相見積もりを取る

業者から見積もりを取る際には、複数の業者から相見積もりを取りましょう。
相見積もりを取れば安い業者を探せますし、適正価格も分かるからです。
概ね3~5社くらい取れば、その工事の適正価格が分かります。大体の価格帯が出た段階で決めると良いでしょう。
尚、時として、他の業者よりも突出して安い見積もりを出すところがあります。
価格を見るならば、そのような業者は魅力的ですが、避けるべきです。というのも、業者には悪質なところがあるからです。
場合によっては廃棄物を不法投棄されます。非常に危険な行為です。

残置物は自前で撤去する

オフィスファニチャーなどの残置物を業者に撤去させると、それだけ余計に費用が発生します。特に広くて大勢の従業員を抱えるオフィスは、撤去だけでも意外なほどに費用が掛かるはずです。
しかし、自前で残置物を撤去するならば、それだけ費用が浮きます。
ただし、あくまでも従業員の人件費と比較して行うべきです。仮に、動員する従業員の人件費が高かった場合には、委託する方が安くなるケースがあり得ます。事前に計算をしておくべきでしょう。

不用品は売る

ファニチャー類は売却が可能です。
リサイクル業者の中には引き取りに来るところがあるため、依頼すると良いでしょう。

 

産業廃棄物処理について

オフィスの内装解体工事には多量の産業廃棄物が発生します。
産業廃棄物の処理も業者が請け負ってはくれますが、事業者は処分と無関係ではありません。
そこで、ここでは特に産業廃棄物処理について取り上げます。

排出事業者の責任について

環境省のホームページを見ると、環境再生・資源循環のページに「排出事業者の徹底について」が記載されています。
そして、そのページには「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない」(排出事業者責任)と謳われています。
つまり、オフィスの解体によって発生した廃棄物は、そのオフィスに入っていた事業者が責任を持たなければいけないのです。
尚、このページには事業者は廃棄物の最終処分が終了するまで、必要な措置を講じなければいけないとも記載されています。オフィスに入っていた事業者は最終処分までの責任を持たなければいけないのです。

業者への丸投げではない

「廃棄物処理」などのキーワードで検索をすると、「トラック一杯で〇〇円」といった廃棄物処理業者の宣伝文句を見る場合があります。
廃棄物を出す側としては、その価格の安さから魅力的に見えるかも知れません。そして、「廃棄物処理は業者の責任」と勝手に判断して、処理の仕事を丸投げにするケースもあるでしょう。
しかし、廃棄物処理はあくまでも廃棄物を出した側の責任も問われます。処分の「丸投げ」は出来ないのです。

不法投棄の可能性

産業廃棄物の不法投棄は昔からあった社会問題でした。テレビの報道を見るならば、海外に廃棄物を輸出していた…といったショッキングなニュースも流れたほどです。
さて、産業廃棄物の処理をいい加減にすると、廃棄物処理業者に不法投棄をされる可能性が出て来ます。
不法投棄をされると、投棄した業者だけでなく、排出した事業者が法的責任を取らされる場合があります。…この事態はコンプライアンス上で問題があるばかりではありません。企業イメージにキズが付いて、経営上のダメージにもなり得るのです。

マニュフェストについて

廃棄物処理の主体は事業者ですが、実際には処理業者が請け負います。
事業者が交付する書類がマニュフェスト(産業廃棄物管理票)はその廃棄物管理のための書類です。
マニュフェストには廃棄物の種類・数量・運搬業者・処理業者などが記載されています。廃棄物と共に移動し、運搬や処分など、各段階で記載されて保管されます。保管期間は5年です。
マニュフェストは運搬から処分まで終わった後に排出した事業者に戻ります。それによって、事業者は廃棄物の処分状況の確認ができるのです。

廃棄物処理法について

廃棄物処理法の正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」です。
目的は生活環境の保全と公衆衛生の向上で、廃棄物の排出抑制や廃棄物の管理・処分を定めています。
法律の原則としては、「廃棄物は自らの責任で処理をする」「廃棄物は再生利用などにより減量に努める」「製品設計や製造の段階から廃棄物になったときを考え、処理が困難にならないようにする」の3点となります。
尚、廃棄物処理法は罰則規定のある厳しい法律です。罰金の他にも懲役刑があります。

 

まとめ

オフィスの内装解体工事について取り上げました。工事の流れがイメージできたことでしょう。
また、廃棄物処理の責任の所在の理解も出来たと思います。
オフィスの内装解体はあまり難しく思えないかも知れません。しかし、費用は高額ですし、時間も掛かる事業です。
工事の流れの把握と適切な業者選択が成功のカギと言えます。準備を万全に整えて臨みましょう。

なお、オフィスの内装解体工事も含めた、デザインに関するご依頼は「ビルディングデザイン」がおすすめです。
オフィスデザイン・設計から施工まで自社ですべての内容を承っているので、個別に業者を依頼するよりもコストを抑えれる可能性もありますし手間も省けます。

さらに、物件選びからサポートをしているため、要望に合ったオフィス空間を提供できます。
「ビルディングデザイン」を利用して、費用を抑えつつ快適な新オフィスをデザインしましょう。
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